信濃の疏水

諏訪地域

四季折々の景観が美しい 蓼科湖(たてしなこ)

蓼科湖は、豊かな自然に囲まれた八ヶ岳中信高原国定公園内の茅野市北山、標高1,200mにある農業用の温水ため池です。

今から約230年前の江戸時代後期、比較的水量が多い茅野市北部の河川から、南部の水不足地帯へ農業用水を送るため、諏訪地域の偉人「坂本養川」が「滝之湯堰」を開削しました。この堰により、約400haの水田が潤うこととなりましたが、水源の標高が高く水が冷たかったため、農業用水を温める目的で、昭和27年に蓼科湖が築造されました。太陽の熱によって温められた農業用水により、受益地の米の収量が増え、戦後の食料増産に大きく貢献しました。

また、蓼科湖は農業用のため池という役割だけではなく、蓼科高原の主要な観光スポットにもなっており、毎年大勢の観光客が訪れています。土地改良区や地元の皆さんの適切な管理により、周辺環境や景観が良好に保全されているため、人々の憩いの場となっていることはもちろん、野鳥や魚などの貴重な生息の場にもなっています。

冬には一面の銀世界となり、全面結氷していた昭和40年には、国体冬季大会スケート競技会の会場になりました。

蓼科湖の四季折々の景観は、それぞれに違った魅力があり、特に秋は、湖面に映る山々の紅葉が訪れる人々を魅了します。
2015年3月掲載

◦施設の管理者 茅野市滝之湯堰土地改良区

◦坂本養川  田沢村(現茅野市宮川)の名主で、諏訪全域の水利調査に基づき、高島藩に献策し、15年で15の堰を開削した。