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信濃の疏水

大北地域

北アルプスの麓 冷害を防ぐ 大沢寺ため池(だいたくじためいけ)

長野県の北西部に位置する大町市は、自然豊かで雄大な景観を有する北アルプスの麓に位置し、標高3000m級の山岳地帯を背景に、県内有数の水田農業が展開されています。
この地域は、市内を南下する一級河川鹿島川から取水し、用水路(越荒沢堰)を経由して、約240haの農地をかんがいしていました。しかし、鹿島川の水源は北アルプスの雪解け水であり、元々水温が低い上に、用水路が木立の間を流れることから水温が上がらず、農家の皆さんは度々冷害に悩まされていました。
そこで、取水した用水を一時的に貯留し、水温を上昇させてから利用することを目的とした農業用ため池造成の声が上がり、地域の悲願となりました。
昭和31年には、用水路の上流側にあり、かつては「しょうぶ池」と呼ばれていたため池の改修工事が行われ、市内では最大級の温水ため池となる「大沢寺ため池」(貯水量5万6000㎥、提高6m、堤長270m)に生まれ変わりました。
大沢寺ため池で充分に温まった用水を、下流の越荒沢堰に放流することで、標高700m余りの高冷地においても冷害のない水田農業が可能となりました。
越荒沢堰を流れる清らかな水が貯留されている大沢寺ため池は、地域の知恵により、水田農業を支える重要な役割を果たしています。
2014年8月掲載

◦施設の管理者 大町市土地改良区