信濃の疏水

長野地域

地域の農業を守る 河東排水路(かとうはいすいろ)

 河東排水路は、長野市綿内から須坂市福島、中島をとおり、更に相之島をぬけ千曲川に至る農業用の幹線排水路です。
 長野市と須坂市にまたがる河東地区は、千曲川の自然堤防と扇状地にはさまれた氾濫原であるため、その多くが湿地であり、かつて水田作業は腰まで泥につかることも珍しくありませんでした。さらに千曲川の氾濫やその支流の百々川などの洪水にも悩まされていたことから、古くから水害防御を目的とした対策事業が行われてきました。
 大正3年に設立された百々川水害予防組合による対策事業にはじまり、昭和13年から昭和30年にわたっては、排水改良事業と区画整理事業が並行して実施されました。しかし、近年では施設の老朽化や排水路の断面不足により排水機能が低下し、農作物の湿害が生じていました。
 そこで、昭和54年から平成12年にかけて県営かんがい排水事業河東地区を実施し、幹線排水路の全面改修が行われ、これにより近代的な農業経営基盤が確立され、農業経営の安定に大きく貢献しています。
 また、地域から自然との共存を求める声があり、治水上の機能面だけではなく、周辺の景観や生態系に配慮した水路改修も一部行われました。親水水路部周辺にはメダカやタナゴなど多くの生物が生息しています。春には水路沿いに植えられた桜、秋には周辺のリンゴなど、四季折々の自然を楽しむことができます。
2013年11月掲載

◦施設の管理者 河東土地改良区