信濃の疏水

上小地域

地域農業の礎 塩川堰(しおかわせぎ)

上田市丸子の依田川右岸に広がる水田(約470ha)を潤す塩川堰は、塩川用水とも呼ばれ、上堰、下堰、石井堰の総称(総延長約25㎞)で、いずれの堰も和田峠を源とする依田川から取水しています。

塩川堰の歴史は定かではありませんが、流域で確認されている碁盤目状に区画された条里的遺構から、平安時代より段階的に開発されてきたと考えられています。

昭和20年代に農業水利改良事業によって整備されましたが、築造後50年余が経過し、老朽化に伴う破損箇所からの漏水により、営農に必要となる用水が不足するなど、維持管理に多大な費用と労力が必要となっていました。このため、平成17年から23年にかけて、水路の更新整備を目的として県営かんがい排水事業が行われました。

これにより維持管理が大幅に軽減されるとともに、安定した用水の供給が可能となりました。

近年、上流域の市街化が進み、降雨時に流入する排水の増加により、下流域において溢水被害が発生していることから、平成25年から農村災害対策整備事業による改修工事が予定されています。

長年にわたり、農業用水だけでなく生活用水としての役割も担ってきた塩川堰は、地域に欠かすことのできない財産として、次世代に引継がれています。
2013年2月掲載

◦ 参考文献「長野県土地改良史」、「依田川沿岸土地改良区史」

◦ 施設の管理者 長野県小県郡依田川沿岸土地改良区