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信濃の疏水

上小地域

美ヶ原の清流を源に 地域を潤す 大堰(おおせぎ)

上田市武石地域では、美ヶ原高原を源とする武石川が中央を流れています。

大堰は、上武石で武石川から取水され、100ha余の田畑を潤す農業用水で、上流部の約900m区間では、3mの堰幅をもち、ゆっくりと穏やかに流れています。これは、標高2000mの美ヶ原高原から流れ出る武石川の水温が低く、灌漑用水としては冷水害を招く恐れがあったことから、水路幅を広く、水深を浅くして太陽熱で水を温めているためです。また、途中、武石小学校の敷地内では、渡り廊下のすぐ下やグランドの横を流れ、水路の中には時々カモが泳ぐ姿が見られるなど子供たちの身近な親水施設となっています。

大堰がつくられた時期は定かではありませんが、鎌倉時代から室町時代には、既に開削されていたと考えられています。また、江戸時代に入ると武石地域は徐々に石高を増やしていきました。この武石三千石といわれた耕地の開発は、豊かに流れる大堰があってのことでした。

昭和30年代に水路は、コンクリート水路に改修され、以降40年余り使用されてきました。しかし、老朽化が著しくなったため、平成17年から県営中山間総合整備事業により改修が行われました。改修にあたっては、石積を採用するなど、景観に配慮した美しい水路となっています。

水路の整備により、用水が安定供給されることで、水稲をはじめとする農業生産が安定します。そして、農の営みが続いていくことで美しい農村景観も維持されます。大堰は、これからも、地域に親しまれながら、農業の発展のために重要な役割を担っていきます。
2015年10月掲載

◦ 施設の管理者 上田市