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信濃の疏水

松本地域

梓川の清流を産地に送る 国営右岸上段幹線(こくえいうがんじょうだんかんせん)

梓川は飛騨山脈を源に上高地で大正池を形成し、松本平に向かって流れていきます。この北アルプスからの流れの一部が農業用水として稲核ダムや梓川頭首工で取水され、両岸約9000haの田畑を潤しています。受益地では、水稲、リンゴ、ブドウ、レタス、キャベツ、スイカ、長イモなどの様々な農作物が栽培されており、どれも県下有数の生産量を誇っています。

梓川の水を受益地に運ぶ幹線水路の一つである「国営右岸上段幹線」は、稲核ダムで取水され、およそ19㎞先の塩尻市桔き 梗ケ原までの約1600haの農地を潤しています。

「国営右岸上段幹線」の受益地は、かつて常襲旱魃地域と呼ばれ、雑穀などが栽培されていた生産性の低い地域でした。しかし、昭和41年から51年にかけて、国営事業でこの幹線水路が建設され、関連する県営畑地帯総合土地改良事業等によって畑地かんがい施設が整備されました。これらの事業を契機に地域の農業に大きな変化がありました。

塩尻市の岩垂原から朝日村にかけてのレタス、キャベツをはじめとする高冷地野菜、山形村の長イモ、松本市のスイカやリンゴなど全国に誇る産地が形成されました。また、この水路は、明治時代から栽培の続く塩尻市桔梗ケ原のブドウ団地でも、生産の安

定に寄与しています。

今後も、「国営右岸上段幹線」の水が支える地域の農業が、ますます発展していくことが期待されています。
2016年2月掲載

◦施設の管理者 長野県中信平右岸土地改良区