信濃の疏水

北信地域

肥沃な農地を潤す 八ケ郷用水(はっかごうようすい)

長野県の北東部に位置する中野市は、中央部に千曲川が流れ、北には高社山が美しい裾野を広げ、東には上信越国立公園に指定されている志賀高原など、緑豊かな自然環境に恵まれています。

この中野市を流れる「八ヶ郷用水」は、一帯の水田221haと畑294haの合計515haの農地をかんがいしており、稲作の他に、現在では、リンゴ・モモ・ブドウ等を中心に「くだもの王国・中野」として知られる県内有数の果樹栽培地帯を支えています。

「八ヶ郷」とは、古くから夜間瀬川中野扇状地に発達した郷村(更科、小田中、西条、吉田、一本木、若宮、竹原、中野)による水利共同体のことです。

「八ヶ郷用水」は、志賀高原の「大沼池」、「琵琶池」や、群馬県側に位置するガラン沢からの「寒沢堰(1892年開削)」を源として、先人達の偉業により引水されました。この深山幽谷から集められた水は、いったん横湯川や角間川に流れ、これらが合流した夜間瀬川から松崎分水槽に取り入れられます。ここから一定の比率で6つの堰(更科堰、吉田堰、一本木堰、若宮堰、竹原堰、中野堰)に分かれ、更に中野堰の下流で、小田中堰、西条堰に分水されることで「八ヶ郷」を潤しています。

日本の疏水百選にも認定されている八ヶ郷用水の清らかな水が流れる堰は、地域の生活にも密接に係わり、住民に憩いと安らぎを提供しています。
2013年12月掲載

◦施設の管理者 中野市八ヶ郷土地改良区

松﨑分水槽