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信濃の疏水

北信地域

先人の想いとともに受け継がれる 今井堰(いまいせぎ)

今井堰は、長野市豊野町の川谷地籍の鳥居川から取水し、同大倉地籍で上堰と下堰の二本に分かれ、豊野町の蟹沢地区や上原地区を潤しながら、旧豊田村の荒山地区までの農地に水を運ぶ総延長約17㎞の農業用水路です。

この堰は、江戸時代の中頃に北信地域で12筋の堰の開削・改修を指揮し、村人から「用水の神様」と呼ばれた飯山藩士野田喜左衛門正満によって開削された堰の一つです。喜左衛門によって開削された堰は、水稲の生育に重要な水温を高めるため、日当たりのよい場所では水路の勾配を緩く、日陰では流れを早めるため急にするなどの工夫が施されています。

今井堰の開削により、上今井地区の千曲川沿いの平地や、丘陵地に農業用水が導かれ、当時、開田された水田は113􀉟に及びました。 昭和に入り、養蚕の不振などに伴ってこの地域でもりんご栽培が盛んになり、今井堰の受益農地の一部も、樹園地に生まれ変わりました。そして、老朽化した水路からの漏水を防ぎ、畑地への効率的な水利用を図るため、平成4年度から15年度にかけて県営畑地帯総合整備事業が実施され、より安定的に作物が生産できるようになりました。

国道18号線を豊野から飯綱町に向かって走ると、鳥居川に小さな取水口が見えます。江戸時代に喜左衛門が水源を求めたこの場所は、洪水による幾多の災害を乗り越えながら先人の想いとともに大切に受け継がれ、今も地域の農業の源として実り豊かな土地を守り続けています。
2017年8月掲載

  • 施設の管理者 中野市上今井区