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信濃の疏水

上伊那地域

土地改良事業とともに 美和一貫水路(みわいっかんすいろ)

伊那市長谷(旧上伊那郡美和村)を流れる三峰川は、南アルプス仙丈ヶ岳に源を発する天竜川最大の支流です。
その流れは急で、大雨による急激な出水と多量の土砂流出は、天竜川流域においても治水上の大きな脅威となっていました。
昭和25年、三峰川上流の美和村において、洪水調節を主体とした多目的ダム「美和ダム」が建設されることとなりましたが、多くの家屋と農地がダム湖底に水没することから、激しい反対運動が起こりました。
話し合いの結果、昭和32年、代替地となるダム上段地域の開田に不可欠な「美和一貫水路」が、土地改良事業により建設されることとなりました。
しかし、大変軟弱な地質で崩れやすく、険しい地形であったことから、難工事により5人もの尊い命が失われました。また、当初3年間で完成させる予定が、12年にも及ぶ大工事となりました。
そして、昭和44年、三峰川支流である小黒川の「鷹岩堰堤」から「非持山」まで、美和村を南北に貫く全長13㎞の「美和一貫水路」は完成しました。
農地約184haを潤す「美和一貫水路」も完成から40年余りが経過し、老朽化が進んだため、現在、新たな土地改良事業により生まれ変わろうとしています。
2013年4月掲載

◦施設の管理者 上伊那美和土地改良区