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信濃の疏水

佐久地域

日本一のレタスの生産地を支える 居倉大深山二次構幹線(いぐらおおみやまにじこうかんせん)

千曲川源流の郷「川上村」は、長野県の最東端に位置し、2000m級の山々に囲まれた高原地帯で、生産量日本一を誇るレタスの畑が一面に広がっています。その中でも居倉と大深山の二つの集落に跨る当地域には、金峰山川(きんぽうさんがわ)上流から取水し、千曲川両岸の140haの畑地帯を潤す幹線管水路が整備されています。水路は金峰山川、小川、千曲川といった3つの河川をサイホンで横断し、延長10㎞以上に及ぶ村内一の長大なものです。
かつて「信州の中でも最も不便な山奥の一つ」と島崎藤村が描写した川上村は、昭和10年の国鉄小海線の開通を契機に白菜の生産出荷が始まり、高原野菜の生産地となりました。昭和30年には進駐軍用としてレタスの栽培が本格化しましたが、日本人の食の西洋化が進むにつれ、その需要は更に高まり続けました。これに対応するため、ほ場整備と畑地かんがい施設整備の計画が相次いで立てられ、第二次構造改善事業によって、昭和47年から4年の歳月と3億6千万円余の費用をかけ、管水路等の整備が完成しました。それまでは集落の水場から畑までトラクターで水を運び散水していましたが、管水路完成後はスプリンクラーの利用が可能となり、労働時間は劇的に改善され、品質の向上や計画的な作付けも可能となりました。
地中の管水路は普段見ることができず、水を撒いている期間も短いため、存在を知る機会も多くありませんが、日本一のレタスの生産地を支える重要な役割を果たし続けています。
2017年2月

• 施設の管理者 居倉林野保護組合・大深山林野保護組合

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