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信濃の疏水

木曽地域

御嶽はくさい畑を潤す 西山ため池(にしやまためいけ)

 標高1110mの高冷地に位置する木祖村小木曽地籍には、水稲栽培に必要な農業用水を温めることを目的に昭和24年に築造された西山ため池があります。木曽川支流の笹川から取水し、一旦水を溜めた後、17haの農地へ用水を供給しています。
 昭和30年代頃からは「御嶽はくさい」の栽培が盛んになり、今では、高品質なはくさいを生産するための安定した用水の供給源として、このため池が重要な役割を果たしています。
 築造後40年以上が経過し、堤体からの漏水や取水施設などの老朽化が著しくなったため、平成9年から平成11年にかけて県営ふるさと水と土ふれあい事業による改修工事が行われました。この事業では、ため池の補修・補強に加えて豊かな自然環境を保全するため、護岸や余水吐には自然石を利用した工法が採用されました。
 春から夏にかけては緑豊かな景色、秋には水面に映る赤や黄色の紅葉が見られ、今の季節は白銀に包まれたため池が春を待ちわびています。また、周辺には遊歩道や休憩施設が整備され、地域住民の憩いの場として親しまれています。
 「御嶽はくさい」の栽培を支え、四季を通じた地域の景観を映し出す西山ため池が、木祖村の重要な資源として保全されながら、これからも西山地域を潤し続けることでしょう。
2018年1月掲載

•施設の管理者 西山維持保全管理組合