信濃の疏水

木曽地域

ほ ほ ほたるこい! 中沢用水(なかざわようすい)

水田

木曽南部、宿場町として知られる妻籠地域にホタルが飛びかう農業用水路があります。

10年程前、中山間地域総合整備事業で、この用水が潤す水田約5haのほ場整備を行うことになり、当時「このままではホタルが飛ばなくなるのではないか。ホタルも飛ばない風景なんてさびしい。」という声が大きくなりました。そこで、地元の住民20人ほどが集まって「ホタルの会」が発足し、保護活動が始まりました。

ホタルの名所を作るためではなく、ホタルのいた環境を残すための保護活動です。行政側も協力し、ほ場整備の水路の一部を石積に変更して、ホタルが生息しやすい環境を整えました。

また、「別の場所から連れてきたホタルではなく、この地域で飛んでいるホタルを残したい」と、ほ場整備が行われる前に皆で水路に入り、ホタルの幼虫やカワニナを1匹ずつ手で集めて飼育を始めました。最初はわずかばかりの数でしたが、徐々にホタルの数が増えてきました。

県内でもホタルが有名な地域は多数あります。比べると規模は小さいですが、地元産のホタルが飛び交う地が守られました。

しかし、最近、ホタルの餌となるカワニナが大幅に減少してきました。原因はまだ分かりませんが、「水路の水は、人間だけが使っているのではなく、その地域にいる生き物も使っていることを忘れずにいてもらいたい」とホタルの会の会長は語っています。
2010年6月掲載

水田